―存在とは何か

真理への飽くなき追究

言葉とは、その人そのものである

―言葉とは価値そのものである
・言葉とは、その人、そのものである。言葉とは命である。
・言葉を大切にするという事は、自分を大切にするという事に他ならない。
・言葉とは存在しない物を認識し、あたかも存在するようにさせる力を持つ。言葉とは認識その物であり、観念である。
・ゆえに言葉とは無い物を在ると言っているのである。言葉によってでしか、人間は認識出来ないので、言葉によって認識できない物は無い物とされる。実際にこの宇宙に在るものであっても、言葉で認識できなければ、それは、無い物なのだ。
・人間が認識する物は、実在するものではなく、認識する物にすぎない。別の言葉で言えば、人間はこの世界を想像する事しかできないのであって、それは想像にすぎない。ゆえに言葉とは無い物を在ると言ったり無いという事は出来るが、実際に在る物を在ると言ったり、無いと言ったりする事は絶対に出来ない。それは人間が、認識、すなわち想像でしか、世界を知る事が出来ないからである。
 
―他人と比べる幸福は相対的幸福と同時に相対的不幸でもある。
・人間を勝ち組、負け組で分ける事があるらしい。
・勝ち負けとは相対的な物である。
・自分の価値を他人と比べ相対的に考えたり、自分の幸せを他人と比べ相対的に考える様では絶対に幸福にはなれない。
・なぜなら、他人と比べる以上、自分より上だと思う人はいくらでもいる訳であり、他人と比べて幸福という事は、同様に他人と比べて不幸でもあるという事だからだ。
・故に、幸福とは、自分の内に求める者であり、自分の外に求めるのではない。
・他者から愛される事を幸福と捉えるのではなく、自分を愛せる事を幸福と捉えるのである。
・故に、絶対的な幸福とは、自分の中にある。それを、自分の外に向けると、不幸となる。
・同様に不自由を外に求めるのは意味がない。不自由にしているのは自分自身であるからだ。本当の自由とは「自らの」自由だ。
 
―本当の真理とは誰の物でもない
・人間は自分が分かる事が正しい事、自分が分からない事を正しく無い事と思う節があ
るらしい。
・自分が分かる事を正しい事、正義と思い込み、それを万人が同じように思っていると判断する。
・また、自分が分からない事は、正しくない事、悪と決めつけ、これを非難する。
・しかし、真理とは万人にとっての真理なので真理なのだ。
・当たり前の事を言っているがこれが分からない人が多い。自分だけが分かる事は、正しい事ではない。また、自分が分からない事が、間違っている事ではない。万人が分かる事が真理なのだ。
・社会は変化したが、人間は昔から何一つ変わっちゃいない。古典と呼ばれる物は時の試練を生き残った、すなわちどのような社会でも通用する価値のある言葉である。
・逆に、時の試練を耐えれない、すぐに皆から忘れられるような、How toのビジネス書、メディアが垂れ流す情報、言葉に価値はない。世の中の事など追いかけてもしょうがないのだ。
・人間の価値はその人の言葉で決まる。価値のある言葉とは、時の試練を生き残る言葉、すなわち真理である。
 
参考文献 勝っても負けても41歳からの哲学 池田 晶子