―存在とは何か

真理への飽くなき追究

ゴキブリは実は綺麗好き

―ゴキブリは実は綺麗好き
・ゴキブリは雑食性の為、どうしても周りの環境が汚い所に生息しがち。
・でも、ゴキブリは、汚くなるのが嫌いの様。自身の体内から殺菌、消毒作用のあるクレゾールのような液を撒きながら歩く。
・ゴキブリは元々、熱帯のジャングルに生息していた為、ゴキブリが黒いのは、ジャングルの環境に擬態する為。
・また暖かい所でしか生きれないので、どうしても台所や冷蔵庫の裏などを好むもよう。
 
―擬態にもいろいろある
・隠蔽型擬態…捕食者から身を護る為、環境に擬態をして隠れる。軍の迷彩服は隠蔽型擬態。
・ベーツ型擬態…毒を持っている、者が、「食べるな、危ないぞ!」と毒を持っている事を捕食者にアピールする擬態。ヤクザなどの入れ墨はベーツ型擬態と言えるだろう。
・ミューラー型擬態…毒を持っていない者が、毒を持っている者に似せる擬態。見た目だけでなく、動きや行動も真似る。警備員の制服は、警察官の制服に似ている。これもミューラー型擬態。
・ペッカム型擬態…捕食者から身を護る為でなく、捕食の為に擬態する。カメレオン、花カマキリや、サバンナのライオンなども、ペッカム型擬態と言える。花カマキリのすごい所は、ちゃんと花の様に、紫外線を吸収する部分までも花そっくりなのだ。
・他にもユニークな擬態として、自分のおしりを頭の様に擬態する虫だ。歩き方も後ろ向きに歩くので、どっちが頭か分からない。利点は、頭を鳥などに取られたらおしまいだが、
おしりなら、それほど、致死的なダメージにならなくて済む。
・蛾の擬態は、羽の模様が、鳥の嫌いな蛇の目の様に見える事だ。
・見た目だけでなく、臭いの擬態もある。昆虫界最強のアリの臭いの擬態をする昆虫もいる。
・オスアリの臭いを擬態するクロシジミ。クロシジミの幼虫はアリに巣まで運んでもらい、餌や世話などをやってもらい、成虫になったら、バイバイなんてズル賢いやつ。
シャクトリムシは植物の臭いに擬態する。目がほとんど見えず、臭いで判断するアリは、シャクトリムシに気付かない。
・フォトリウス属のホタルの発光の擬態。ホタルが発光するのは、メスがオスを呼ぶ為。ホタルの種類によって発光パターンはそれぞれ違う。フォトリウス属のメスの恐ろしいのは、わざと他の種類のホタルの発光をまねて、他のホタルのオスがやってきたらガブリと食べてしまう。
・擬態ではなく擬死、すなわち死んだフリも有効な回避方法。擬態+擬死は、まったく動きがないので、見失ってしまう。人間も、恐怖すると、フリーズするが、これも立派な擬死だ。
 
―様々なアリがいる
・茸を栽培するハキリアリ。名前の通り、葉切りを行って、葉を巣に運ぶ。巣に運んだ、葉は粉々にされ、キノコの胞子の養分にする。アリは、栽培した茸の胞子を食べるというわけだ。
・軍隊アリ。通常のアリは、雑食で死んだ、虫を食べるが、軍隊アリは、最強のアリとも呼ばれ、生きたまま、鳥でも、爬虫類でも何でも襲う。軍隊アリは、定住せずに、常に移動を繰り返す。定住できないのは、定住すると餌を狩りつくしてしまい、餌が無くなるから。そんな軍隊アリに紛れ込む昆虫もいる。ハネカクシは軍隊アリに姿や臭いまで擬態する。アリではないので木のぼりは下手。だから丸まって、他の軍隊アリに運んでもらう。アリは仲間が丸くなると運ぶ習性があるのだ。
・奴隷の様に他のアリを使役するサムライアリ。サムライアリは何とクロヤマアリの巣を襲い、サナギを奪って自分の巣に持ち帰る。成虫になった、クロヤマアリは、サムライアリの臭いが移ってしまっているので、自分をすっかりサムライアリだと思い込み、サムライアリの卵やサナギ、餌をせっせと集めて、サムライアリに尽くす。しかし、当然、サムライアリとは交尾出来ないので自分の子孫を残す事は出来ないにで息絶える。数が減ったら、サムライアリはまた、クロヤマアリのサナギを奪ってくる。
 
―性陶汰…強い者だけが子孫を残せる訳ではない!
・性陶汰すなわち、メスと交尾しようと、多くのオスは争う。その争いで勝利出来る者だけが、自分の子孫をのこせる…と思われがちだか、実はスニーカーと呼ばれる、賢い奴も自分の子孫を残せる。スニーカーは決して、他のオスと比べ、力は強くない。逆に極端に弱くて他のオスに相手にされない。これを利用し、強いオス同士が戦っている最中に、ちゃっかりと、メスと交尾してしまうのだ。メスの様な体に似せる個体もいる。
 
―肉食系昆虫のメスとの交尾は命がけ。
・ヤマトシリアゲのオスはメスと交尾する際、餌をプレゼントとして提供する。そしてそれを受け取ったメスと交尾出来る。なんともほほえましいが、実は、ヤマトシリアゲハのメスは、肉食で、オスも食べてしまう。だから、ヤメトシリアゲハのオスは自分が食べられない様に、メスが餌を食べている間に交尾してしまうのだ。
・ハチのオスはかわいそう。実はハチのオスは、女王蜂の繁殖期である2か月くらいしか生きる事ができない。女王蜂の卵の世話や、餌を集める働き蜂は全員メス。そして女王蜂はオスとメスを産み分ける事が出来る。オスは成虫になるまで、働きバチの世話によりより成長する。その間、オスは働きもせず、ぐうたらしている。成虫になったら、たった一匹の女王蜂との交尾の為、激しく争う。見事、交尾したオス蜂は、空中から地面に落ちていく。残ったオス蜂は、元の巣に戻ってきても、追い出されてしまう。つまり、女王蜂の交尾さえ終われば、オス蜂は用無しなのだ。
 
参考文献 昆虫たちの世渡り術 海野 和男