―存在とは何か

真理への飽くなき追究

子曰く、学びて思わざれば、則ちくらし、思いて学ばざれば、則ちあやうし。

―子曰く、学びて思わざれば、則ちくらし、思いて学ばざれば、則ちあやうし。
・知識をいくら学んでも、それをどのように生かすか考えなくては、意味がない。逆に、考えるだけで、学びがないと、どうすればいいか分からない。
 
―子曰く、三人行けば、必ず我が師有り。その善なる者を選びて、之に従い、其の不善なる者は、之を改む。
・どんな人からも学ぶべき事はある。善行は、自分も見習い、悪行は、そうならない様にと反省する。
 
―子曰く、学びてつねに之を習う。また悦ばしからずや。友、遠方より来たる有り。また楽しからずや。人知らずしていからず。また、君子ならずやと。
・学ぶ事を続け、常に復習する。心が浮き立つではないか。友人が訪ねてきてくれた。なんと楽しい事ではないか。自分の事を認めて貰わずとも怒らない。それが、教養人という者ではないか。
 
―子曰く、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。
・賢人は迷わない。人格者は心静かである。勇者は恐れない。
 
―子曰く、我、日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交じりて信なるざるか、習わざるを伝えしか、と。
・私は、毎日、いろりろな事を反省する。人の為といって、いいかげんな事はしなかったか?友人との付き合いで、言ったことと行いが一致していたか?まだ、十分に身についていないのに、他者に伝えていなかったか?
 
―子曰く、古の学ぶ者は己の為にし、今の学ぶ者は人の為にす。
・昔の学徒は自己を鍛えるために、学ぶ事を鍛えてきたが、今の学徒は、他人から名声を得る為に学んでいる。
 
―子曰く、由よ、汝に之を知るを教えんか。之を知るは之を知ると為し、知らざるは知らずと為す、是、知るなり。
・由君よ、あなたに知るとは何か教えよう。知るとは、自分が知っている事は知っている事とし、自分の知らない事は正直に知らない事とする。これが知るという事だ。
 
―子貢、君子を問う。子曰く、先ず行う。その言やしかる後之に従う、と。
・子貢が君子とは何かとお尋ねした。孔子はこう教えられた。まず実行だ。その説明については、実行の後に行う。そういう人が君子だ。
 
―子曰く、君子は人の美を成す。人の悪を成さず。小人は之に反す。
・君子は、人の美徳を高め、人の悪行をやめさせる。知識人はこれとまったく逆の事をする。
 
―子曰く、君子は泰にして驕らず。小人は驕りて泰ならず。
・君子は堂々としているが、おごり高ぶったりしない。知識人はおごり高ぶるが、堂々としていない。
 
―子曰く、過ちて改めず、之を過ちという。
・過ちを犯したのに改めない。これが真の過ちである。
 
―子貢曰く、君子の過ちや月の満ち欠けの如し、過つや人、皆、之を見る。更むるや、人、皆、之を仰ぐ。
・君子の過ちは月の満ち欠けのようにはっきり、隠したりしない。なので過てば皆之を知っている。しかし、すぐに改めるので、人々は、かえって尊敬する。
 
―子曰く、志士、仁人は、生を求めてもって仁を害そう無く、身を殺してもって仁を成す有り。
・人の道に生きようと思う人は、生きる事を求めて人の道を背こうとせず、命を捧げても、人の道を全うしようとする。
 
―子曰く、己に克ちて礼に服するを仁と為す。礼に非ざるもの視る事勿かれ、非礼、聴く事勿れ、非礼言う事勿れ、非礼、動く事勿れ。
・仁とは、利己でなく利他に生きる事だ。仁の規範でないもの、それを見るな、聴くな、言うな、行うな、と。
 
―子曰く、故きを温めて新しきを知る。もって師為るべし。
・故人から学び、今に応用できる物を知る。そういう人こそ人々の師となる資格がある。
 
―子曰く、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。
・道理を知っているだけでは、実践している者に及ばない。道理を実践しているだけでは、境地に達している者に及ばない。
 
 
―子曰く、其の身正しければ、令せずとも行なわれる。
・上に立つ者は、己のあり方が正しければ、命令しなくとも、人はその方針に従う。
 
参考文献 論語 孔子