―存在とは何か

真理への飽くなき追究

宇宙空間で水はどの様にふるまうか?

―宇宙空間で50tの水のタンクを真っ二つに割ると水はどうるか?
・水は、粉々の氷粒となって爆発する様に飛散する。
・地上では、表面張力が働き、水は、集合するが、宇宙空間ではそのようにならない。
・水は、親水性だから、疎水性の大気の中では、集合する。しかし、宇宙空間は疎水性の大気は存在しないので、親水性の水は集合することなく、拡散する。拡散するのは、熱力学第二法則である、エントロピー最大化の原理による。
・宇宙空間は-273℃に対し水の温度は0℃以上。水分子は熱を持っているので、ランダムに動き、結果的に、拡散していく。
・宇宙船から、尿を放出したら、キラキラとした氷粒が綺麗で「宇宙ホタル」などと呼ばれている。
 

―第一宇宙速度とは?

・第一宇宙軌道速度(地球上を軌道する速度)7.9km/s。少なくともこの速度を出せなければ、地球の重力により、落下する。

・第二宇宙軌道速度(太陽系を軌道する速度。地球重力から脱出する速度でもあるので地球脱出速度とも言われる。)11.2km/s

・第三宇宙軌道速度(太陽の重力から脱出する速度。銀河系の軌道に乗る)16.65km/s

 

―ロケットの打ち上げ基地が赤道寄りに作られるのはなぜか?

地球の自転速度は赤道上で最も早くなる。同じ、一周するのでも、同じ時間に短い距離と長い距離を一周するのでは、長い距離を1周する方が、早く動かなければいけない。

赤道付近の公転速度463m/s。北緯35°付近での公転速度381m/s

だから、多くのロケット打ち上げ基地は、出来るだけ、赤道に近い方へ立てられる。

なぜなら、初速度が、稼げる分、燃料費の節約につながる為だ。

 

―地球上の同じ軌道を進んでいるずっと前方の宇宙船に追いつく為には、加速するべきか、減速すべきか?

・減速すべき。一般的に、天体の周りの軌道を進んでいる時、加速する事により、より外側の軌道をすすむ事になる。逆に減速すると天体の重力により、落ちていくので、より内側の軌道を進む事になる。すなわち、減速する事で、内側の軌道に入り、ショートカットする事で、前の宇宙線に追いつく事が出来る。

 

―宇宙から地球に帰還する時、大気圏に入って燃え尽きてしまわないのはなぜか?

・一つは大気圏に入る時、逆噴射により、減速される。

・また、大気圏に入る時、地表に対し40°の角度で突入しなければいけない。

角度が40°より少ないと、大気の反発力で、跳ね返され、地上に戻れない。逆に、角度が深すぎると、速度が出過ぎて、大気との摩擦力が増え、燃え尽きてしまう。

 

―大気圏突入時に生じるブラックアウトとは?

・一般的にブラックアウトと言えば、酸素が無くなり、失神して視界が暗くなる事。

・一方、大気圏突入時のブラックアウトとは通信が途絶える事。

・通信が途絶えてしまうのは、地表が近づき、大気の層が厚くなるにつれ、断熱圧縮の効果により、高温でイオン化した粒子が、通信を遮断する物。

・通常、高度70km、速度6.7km/sの時に生じる。

 

スペースシャトルの冷却システムとは

スペースシャトル内で生じた熱は、ヒート・パイシステムにより放熱している。

・ヒートパイプ・システムとは、毛細管現象を利用し、細いパイプ内を循環するフレオンガスが、熱を吸収する。そして太陽の光が当たらない日陰の時に、扉を開け、パイプをマイナス250℃以下になる宇宙へさらして冷やして冷却する

 

―スペース・コロニーは何処に建設すべき?

・スペース・コロニー建設の候補地点はラグランジェ・ポイントと呼ばれている。

・ラグランジェ・ポイントとは、ちょうど、地球と月の重力が均衡する地点の事。

 

―宇宙飛行士は虫歯があったらなれない。

・虫歯があると、気圧の激しい変動に伴い、激しい痛みに襲われるので、作業どころではなくなるから。健康な人さえ、痛みが生じる。

 

宇宙酔いとは何か?

・人間は、上下の方向を認識する場合、視覚、平衡感覚、筋肉の情報により、判断する。しかし、無重力において、まず、耳の平衡感覚が正常に機能しない。また、地面がない為、視覚による判断も難しい、無重力において、足の筋肉からの情報も、地上と勝手が違うので、脳は混乱してしまうのだ。しかし、宇宙酔いは、時期に脳がなれ、無くなる。

 

無重力が与える、身体への機能。

無重力では、間接が伸び、伸長が3cm伸びる。また、重力による、血液、体液の沈降が無くなる為、その反動で、頭部、胸部への血液、体液の供給量が、2000mlも上昇する。

・血液量の変化により、ホルモンバランスが崩れ、血液量、白血球の数が約15%も低下するので、貧血になる。また地表からの反作用の力が無くなり、カルシウムの低下や、筋力の衰えが生じる。植物では、重力が無くなった為、茎を支える、リグニンが減る。根が下ではなく、ランダムな方向に伸びる。ちなみに、茎は太陽の光の方を向いて伸びる。

 

―宇宙船の船外に出る時は、体の窒素を完全に抜かなければいけない。

・宇宙空間は、ほぼ真空の為、気圧がゼロに近い。宇宙飛行士の服の中には酸素を入れる必要があるが、気圧を高くし過ぎると、防護服が膨張して危険。なので、宇宙服の中は地球の1/3気圧の酸素を含む、低気圧にされる。

・宇宙船の中はほぼ1気圧(96.25kpa)に設定されているが、宇宙服に着替えた時、1/3気圧になる。この時、低気圧になると、体の血液に溶けている窒素が気化して、血管の中に詰まってしまう事がある。だから、防護服を着用する4時間も前から、純酸素のみで呼吸をして、窒素を抜くなどの作業が必要になってくる。

 

―月には地上にはほとんど見られないeaaaHe3が見られる。

・地上で太陽からやってきたHe3が見られないのは、大気の層が厚いため、大気に遮られてしまう為。しかし、月は重力が地球の1/6の為、大気に遮られない。

He3は、重水素水素と反応させて、核融合反応に利用できる。

 

無重力空間でガスバーナーに付けた火は大気の重さがない為、火柱を立てる。では、無重力空間でろうそくを点火したらどうなるか?

・ろうそくの火はまるくなり、酸素がなくなり消える。

・地上で、ろうそくの火を付けたら、熱により温まった空気は軽くなるので上昇する。その分、冷たい重い空気が入ってくるので、新しく酸素が供給され、ろうそくは燃え続ける。

つまり、熱対流が生じる結果、ろうそくは燃え続ける。

・しかし、無重力空間では、大気がないので、熱により、空気が温まっても、上に上昇はせず、四方八方に拡散するので、火は丸くなる。また、下降する、冷たく重い空気も無いので、新しく酸素が供給されず消えていしまう。

 

―月にも氷は存在する。月にも地震(月震)存在する

・月の両極にクレーターの影は、太陽の光が当たらない為、氷が存在する。

・もし、月に住むとしたら、1年中太陽の光が当たる両極で太陽光発電をしながら住む事にあなるだろう。

・また、クレーターの影には総数60tの氷が存在するので、溶かせば、水の確保は出来る。

・ただし、地球と比べ重力が1/6しかない為、大気の層が薄い。太陽フレアが発生した場合、地球では、大気が遮るが、月は、ダイレクトに致死的なX線、γ線がやってくる。なので、宇宙天気予報を元に、太陽フレアが発生したら、厚い鉛板などの陰に隠れなければいけない。

・月にも地震(月震)は存在する。これは、地球との距離の違いによる、重力の差が、月の内部の岩石を軋ませているのだ。地球の地殻移動による、地震とは異なる。

・月は、年間38mmずつ、地球から遠ざかっている。つまり、もっと昔は、地球の近くを回っていたので、今よりもっと月が大きく見えてたはず。

・月は、地球を公転する周期(27.3日)と月自らが自転する速度(27.3日)が同じな為、地球から見る月は常に同じ角度を向いている。

参考文献 宇宙旅行 中富信夫