―存在とは何か

真理への飽くなき追究

35章 脊髄反射  「なぜ、人間は筋力の出せる限界があるのか?」

―ゴルジの健器官は、筋繊維の収縮を検知する。
・ゴルジの健器官は強すぎる収縮を弱める事で、筋繊維の損傷を防ぐ。
・筋繊維が収縮する事で、ゴルジの健器官は抑制性の介在ニューロンを介して、α運動ニューロンを抑制する。結果、筋収縮は抑制され、強い筋繊維の負荷を防ぐ。
・トレーニングにより、強い付加を与えると、それ以上力が出ない様にゴルジの健器官により筋収縮が抑えられる。これは、身体を守る為に重要な機構。つまり、力を出せるリミッターが設けられているのだ。
 
―紡錘体は伸長を検知する。紡錘体は筋収縮が弱いと、筋収縮を強める。逆に筋収縮が強すぎると、筋収縮を弱める。
・紡錘体のⅠa求心性繊維は筋繊維の伸長時に脱分極する。
・筋繊維が収縮した時には、脱分極はしない。
・紡錘体への遠心性繊維γ運動ニューロンは、紡錘体の両端を縮小させる。結果、紡錘体は収縮する。α運動ニューロンの筋繊維の入力と同時に、γ運動性ニューロンの紡錘体への入力も同時に行われる。結果、筋繊維が収縮しても、紡錘体も収縮する。
・紡錘体のⅠa求心性繊維は、同側の筋繊維を収縮する運動ニューロンに興奮性の出力を行う。つまり、急に筋繊維がゆるんだり、伸長した時に、元の適切な収縮へ戻す役割がある。
・逆に、Ⅰa求心性繊維は逆側の筋繊維を伸長する。逆側の筋繊維を収縮するα運動ニューロンへ抑制性の介在ニューロンを介して、筋収縮を抑制している。つまり、同側の筋収縮が強すぎると紡錘体により、同側の筋収縮が弱められ、逆側の筋収縮が強められる。結果、適切な筋収縮を保たれる。