雷はなぜ生じるか?
―雷はなぜ生じるのか?
・雲の中で電位差が生じている為。雲の中では上が+、下が-となる。
・上空に行くほど、気温は低下する。これは、空気の密度が少ない為、運動エネルギー(熱)が少ないため。また、上空に上昇した軽く暖かい空気は、上空の空気の密度が低いため、膨張する。この時、膨張する為、エントロピー(乱雑さ)が上昇し、運動エネルギーは上昇する。足りない運動エネルギーを周囲から奪う為、周囲の温度は低下する。(断熱膨張)
逆に下に下降する時、空気の密度が高いので、エントロピーは減少する。運動エネルギーも減少するので、余分なエネルギーを放出するので、周囲は温められる。(断熱圧縮)
水は温度差が生じると電離する。
熱により電位差が生じる事を「焦電効果」という。
圧力により電位差が生じる事は「圧電効果」。
水は熱せられると、OH-よりもH+の方が動きやすいという性質を持つ。(H+の方が軽いから?)
H+は動いた結果、動きにくい冷たい場所にとどまる事になる。
結果的に、暖かい場所にOH‐過多、冷たい場所にH+過多に偏り、電位差が生じる。
雲の中でも、より、冷たく高い上空ではH+が偏り、暖かく低い上空ではOH‐が偏る。
―雷鳴はなぜ生じるか?
・雷、すなわち、放電が生じる時、空気が熱により一瞬で膨張するが、その後、直ぐに周りにより冷やされ、収縮する。これらは空気の疎密波となる。我々の鼓膜は疎密波を認識し、音として脳は知覚する事が出来る。爆弾の爆発時の音も、同様。
―ダウンバースト(強い下降流)はなぜ生じるか?
・氷、水が落下する時に、大気も巻き込んで落下する。
・氷⇒水になる時は吸熱反応である。周囲の空気が冷える。冷えた空気は密集し、重くなる。落下速度が増す。
―赤信号の止まれの表示が赤い理由。
・赤はレイリー錯乱を受けにくい波長の為。レイリー錯乱とは可視光の波長よりも小さな粒子を可視光が通過する際に、光が錯乱される現象。紫、青色の波長は、赤色よりも10倍強く錯乱される。空が青いのは大気中の水蒸気や、エアロゾルにより、青色の光がレイリー錯乱された為。赤色の光は錯乱されず、まっすぐ進む。赤信号が赤いのも、レイリー錯乱の影響を受けにくい色の為。青信号が実際には緑色なのもレイリー錯乱対策だろう。
・夕焼けや赤い月はレイリー錯乱による物。
太陽や月の位置が低くなる事により、光が大気の中を進む距離は多くなる。結果、青色の光は錯乱されすぎて、届かなくなり、逆に赤色の光が錯乱される。
参考文献:雲の中では何が起こっているのか? 荒木健太郎