―存在とは何か

真理への飽くなき追究

なぜ、宇宙には物質が存在するのか?

―我々の現在の宇宙は保存されやすい物とされにくい物がある。
保存されやすい物。
・エネルギー(不確定性原理 ΔEh/2π×Δtの時間内であれば、破れる)
・運動量
角運動量(軌道角運動量(公転)とスピン角運動量(自転)がある)
電荷1個の電子は-11個の反電子は+1
・色荷(全部で8種類。3(青、緑、赤)×3(反青、反緑、反赤)‐1(白)=8
バリオン数(1個のクォークは+1/31個の反クォークは-1/3。)
レプトン数(レプトンが+1、反レプトンが-1.)
TCP(時間、粒子、空間を反転させた時、反転前と後で保存されている)
 
部分的に保存される物。
クォークフレーバー(u,d,c,s,t,b6種類)。弱い相互作用以外で保存。
レプトンフレーバー(e,νe(μ、νμ)(τ、ντ)の3種。ニュートリノ振動以外で保存。
・アイソスピン。(スピンの向きを逆にする事。逆にしても強い力の強さは変化しない。ゆえに陽子にも中性子にも強い力は同様に働く。)弱い相互作用、電磁相互作用以外で保存
・力の強さが強い程、保存される物が増える。
強い力>電磁相互作用>弱い力>重力
おそらく、重力は今まで保存されると考えられた物も保存されていない可能性が高い。
 
―時間、粒子、鏡映の対称性は、単独では破れている(同じではない)
・鏡映の対称性の破れ。つまり、現実世界と鏡に映した世界は同じではない。これは、ν(ニュートリノ)は左巻きしか観測されない事からきている。鏡に映したνは右巻きになるが、右巻きのνは存在しないのだ。
・粒子反転の対称性の破れ。現実世界の粒子を全て反粒子にした場合、それは現実とまったく同じではない。これも左巻きのνを反νにした場合、左巻きの反νが出来るが、これは現実には存在しない為。しかし、この問題はP(鏡映)反転も行えば解決できる。
すなわちν(左巻き)→CP反転→反ν(右巻き)
我々の宇宙が反粒子より粒子の方がわずかに多いのは、CP対称性が破れた為と言われている。すなわち、CP対称性の反ニュートリノ(右巻き)が一瞬ニュートリノ左巻き)の様に振る舞い、これがdクォークと反応する。
d+ν→ue-
du ν→e- に変わり、結果、陽子1個と電子1個が増えた事になる。
これは実際には
d+反ν→ue-が反応したと言う事。
ここで、もしT対称性が保存されるとしたら、せっかく増えたuクォークe-も逆の反応によりdクォークと反νに戻ってしまう。
ue-d+反ν
しかし、我々の宇宙には反粒子よりも粒子の方が多い。つまり、
d+反ν→ue-
は生じるが、時間反転した
ue-d+反ν
は起こらない。
すなわち、我々(粒子)が存在すると言う事がCP対称性の破れとT対称性の破れが生じていることの証明でもあるのだ!
この宇宙で対称性が保たれるのは、TCP反転、3回反転させた時のみ。
有限の回数の操作により、状況を元通りに回復できる事を、不連続な対称性という。
u(R)(+2/3)e(R)(-1)d(L)(-1/3)+ν(L) ※Rright右巻き。Lleft左巻きを表す。
TCP反転>>>
d(R)(+1/3)+反ν(R)→反u(L)(-2/3)+e(L)(+1)
つまり、時間を巻き戻すには、粒子の反転と鏡映の反転も行えば宇宙のルールは守られているので起こり得る。つまりTCP反転の反応は実際に起こり得る反応なのだ!
TCP反転さえすれば過去に戻る事も可能。
 
―なぜエネルギーは保存されるのか?
・どの時間においても、すなわち連続的に物理法則が対称性を保つ、すなわち保存されているから。ブラックホールの中だろうが、保存される。
―なぜ運動量は保存されるのか?物体は静止、または、等速直線運動し続けるのか?
・どの空間においても、すなわち連続的に物理法則の対称性が保たれているから。ブラックホールの中だろうが保存される。
現在の宇宙はどの空間、どの時間においても物理法則は同じである事が観測されている。
 
ブラックホールもエネルギーを放出して消滅する。
ブラックホールの境界近くで不確定性原理により、反粒子反物質が生まれる。この時、片方の粒子はブラックホールに飲み込まれ、もう片方の粒子が飛び出した場合、粒子と反粒子対消滅が生じなくなる。つまり、借金して真空から借りたエネルギーの半分が返せなくなってしまった。しかたがないので残りの半分は、ブラックホールの持つエネルギーの一部が真空に返される事になる。すなわちブラックホールのエネルギーが減少する。つまり、エネルギー保存の法則は守られる。
 
―レーザーの原理
・レーザーは光子の誘導放出を応用したものだ。
誘導放出とは準安定準位の軌道にある電子に準安定準位-基底状態の差分エネルギーの光子をぶつける。すると、電子は準安定準位から安定な基底状態に落ちやすくなる。この時、まったく同じ運動状態を持つ2個の光子が放出されるという物。
ルビーはAl2O3酸化アルミニウムの基本結晶の中に、数%のCr(クロム)原子を含む物。
クロム原子は緑色の波長の光子を吸収して励起する。励起した不安定な軌道から準安定準位まで10万分の1秒(1×10-5秒)で移動する。準安定準位から基底状態へは1000分の1秒(1×10-3秒)とゆっくりと移動する。この時、原子核に近づいた事により増えた電子のの電気結合エネルギー分が赤波長の光子エネルギーとして放出される。
この放出された赤波長の光子を鏡を使って反射させる。反射した2倍に増えた光子は、再び準安定準位の軌道を持つクロム原子にぶつかる。すると誘導放出により基底状態に戻り2×24倍の光子が放出される。連続して緑色の光子をCr核に吸収させれば、誘導放出基底状態に戻ったCrも再び、準安定準位になる。誘導放出が繰り返され、まったく同じ運動量を持った赤波長の光子が倍々で増えていく。光子はスピンが1で整数なのでボース粒子である。ボース粒子は全く同じ物理状態を持つ事ができる。結果、エネルギーが少ない赤波長の光子でも、それが、集まれば大きなエネルギーを持つ事になる。
 
ダイオードとは何か?
ダイオードとは電流を1方向だけに流す装置の事。
・現在ダイオード2種類の半導体を接合(np接合)して作られる。
半導体とは導体と不導体の半分、すなわち、少し電子を流す事が出来る物質。
n半導体n(ネガティブのn)半導体とは負(ネガティブ)に帯電したシリコン(Si)の結晶に価電子が5個のP(リン)やAsヒ素)が含まれた物。
シリコンの結晶は価電子が4個の為、4つの結合手を持つ。
2酸化ケイ素・石英SiO2)は実際には1個のSiに対し4個のOが結合するが、4個のOは別のSiとも結合するので1つの結晶核子だけ見ると4/22個となる。
ケイ酸塩SiO3-22H+も実際はSi4つのOが結合しているが、1つの結晶核子で見た時は2つが半分ずつ結合しているので22/2=3となる。結晶構造の分子式が出た時は注意しなければいけない。ケイ酸塩が脱水結合する事でシリカゲルが作れる。
Siの結晶構造はダイヤモンドと同じ。なので硬い。
Si結晶に加えたPAsは価電子が5個なので結合手が1つ余る。すなわち、自由な電子が1つ増える。この電子が、伝導性を生む。
PAsの加える量を変える事で半導体の電送率を変化出来る。
P半導体とは何か。P(ポジティブのPP半導体を作るにはシリコンSi結晶に価電子が3個のBホウ素やAlアルミニウムを加えればいい。
Si4つの結合手を持つがBAl3つの結合手しか持たないのでSiの結合手が1個余る。この余った結合手に隣Siの電子が移動する事がある。すると次は隣のSiに空きがでいる。このように結合手の空きが出来、隣の電子がジャンプする事が繰り返される。結果、電子が移動する事になり、伝導性を獲得する。
np接合とは何か?n型(電子が1個余分)とp型(軌道に1個空きがある)を接続すると、npの境界面ではn型→p型に電子が流れる。逆にp型→n型に電子が流れる事はない。
つまり、1方向性の電流の流れを作る装置:ダイオードが作れる。
またn型→p型に電子が移動する時、電子軌道差のエネルギーが光子として放出される。この時、1定の電流を流し続けると、常にnpへ電子が移動するので、常に光子が放出される。これが発光ダイオードLED
白熱灯の様に、電気のエネルギーが熱エネルギーとして失われる量が減るので、電気代が安くなる。
 
また発光された光子を鏡によって反射させ、np接続部のn側に当てると、ちょうどエネルギー差分の光子が当たるので光子の誘導放出が生じる。n型には常に電流を流す事により電子を充填すれば、誘導放出は繰り返され、半導体レーザーが作れる。
逆にnp接続部のp側にレーザー光子を当てる事により、n側へ電子が移動する。すなわち電流が流れる。レーザーが何らかの遮蔽物により遮られると、電流の流れは止まる。これが光電スイッチ(光電センサー)となる。
 
―トンネルダイオードとは?
2つの半導体の間に極薄の絶縁体を挟む。通常は電流は流れないが、障壁を越えて、1定の確率により、電流は流れる。n-絶縁体-p
 
―科学反応におけるエネルギー障壁とは何か?
・科学反応において物質が他の物質と結合する為には、一度、現在の結合を切りバラバラになる必要がある。すなわち、現在の結合エネルギーを失う必要がある。エネルギーを保存する為に、失った分と同じ量のエネルギーを熱エネルギーとして得る必要がある。なので、現在の結合エネルギーと同等のエネルギーを加えた時だけ、結合エネルギーを切る事が出来る。現在の結合エネルギーを切る為に必要なエネルギーの量がエネルギー障壁と呼ばれる。しかし、トンネル効果は、エネルギー障壁を一定の確率ですり抜ける事ができる。
つまり、エネルギーを加えなくても、物質がバラバラに切れる事があると言う事。またエネルギー障壁の幅が狭い程、トンネルする確率は上がる。
 
トランジスタとは何か?
2つのn半導体の中に薄いp半導体を挟んだ物。npn接続。逆のpnp接続も同じ。
真ん中のpに負電圧を加えると、npの流れは止まる。(pの空いた軌道が電子で埋まる為)
逆に、真ん中のpに正電圧を加えると、pの中の電子軌道が空くのでnpの電流の流れが強くなる。また同様にnへの負電圧を上げる事により、npへの電流を調整する事が出きる。このように、電流のON,OFFだけでなく、電流量も調整できる装置がトランジスタ
 
超伝導とは?
超伝導とは極低温において、フェルミ粒子である電子が2個で1対となり(クーパー対)ボース粒子となる事。これは、1個の電子につられて、+のイオンもつられて動く。これにもう1個の電子がつられる事により出来る。
ボース粒子となった、2個の電子対は、同じ物理状態が出来るので、1個の電子の様にふるまう。
 
超流動とは?
通常の温度において、いくつものボース粒子が1つの粒子の様にふるまう事はない。
しかし、極低温になるとボース粒子としての特性が現れる。
極低温では、ボース粒子はバラバラではなく、まったく同じ物理状態を保とうとする。すなわち、極低温ではエントロピーが最大化する様にふるまう散逸構造ではなく、エントロピー最大化の法則に逆らうように振る舞う。超流動になった物質は、秩序のない運動から秩序のある運動へと変わる。摩擦や粘性はエントロピーを増やす仕組みだが、超流動物質は、摩擦0、粘性0で動く。現在の宇宙ではエントロピーが最大化するように振る舞う。しかし、宇宙が冷えて(物質が拡散して)極低温になると、逆にエントロピーが低下する様に振る舞う様になる。つまり物質が集まり新たな秩序が生まれるようになる。しかし、これにより宇宙が縮小する事はないだろう。物質同士が集まると再び、引力、電磁気力、核力、弱い力などにより、極低温を保てなくなるからだ。