―存在とは何か

真理への飽くなき追究

なぜ科学反応において発熱、吸熱が生じるのか?

―原子や分子の反応過程でエネルギーが放出、又は、吸収されるのはなぜか?
・発熱反応が生じるのは、反応後の物質のエネルギーレベルが低いから。ではなぜ、反応後の物質のエネルギーレベルが低いのか?
・反応時に発熱でエネルギーを失ったから。ではなぜ、反応時に発熱するのか?それは、反応後の物質の方がエネルギーが低いから。これでは、鶏が先か、卵が先か?と同じになり、説明にはなっていない。
・反応後の物質のエネルギーレベルが低い。これは正しくは、反応後の物質の質量が低くなっているのだ。陽子の質量は938.3MeV中性子の質量は939.6MeV重水素(陽子+中性子)の質量は1875.7MeV。単純に個々の陽子と中性子の合計は1877.9MeV。つまり、単独で存在するよりも、結合した陽子と中性子の方が2.2MeV軽くなっている。なぜか?
・これは、反応前と反応後の前後でエネルギーが保存される様にする為。強い力はごく短い距離1015mまで近づいた時に来たときに急に発生する。つまり、2個の粒子が近づいたら急に2.2MeVの結合エネルギーを得る事が出来たのだ。しかし、反応前後でエネルギーを保存する為に、2.2MeVを何らかの方法で失わなければいけない。この2.2Mevのエネルギーは質量から失われるのだ。つまり、質量の一部がE=mc^2によりエネルギーとして失われ、結合した時に2.2Mev分、熱エネルギーとして放出される。結果、反応前の質量は1877.9MeVで反応後は1875.7MeVで反応後の方が質量が少ない。しかし、反応後の物質は反応前と違って2.2MeVの結合エネルギーを持つ。つまり質量エネルギーと結合エネルギーを足した全エネルギーは反応前と反応後で保存されている。
・次になぜ吸熱反応は生じるか考えて見よう。吸熱反応は重水素(陽子+中性子)が陽子と中性子にバラバラになる時に生じる。なぜか?
強い力は1015mより離れると無くなってしまう。つまり、重水素が陽子と中性子にバラバラに離れる時、強い力は失われる。つまり結合力2.2MeVが失われる。つまり、反応前と反応後でエネルギーを保存する為には、どこかから、失われた2.2MeV分のエネルギーを与えてやらねばならない。つまり、バラバラになる時、失われた2.2MeV分のエネルギーを周囲から奪うのだ。周囲から奪った2.2MeV分のエネルギーはEmc^2により陽子と中性子の質量に変わる。結果、反応前と反応後、すなわち結合前とバラバラになった後でエネルギーは保存される。
陽子(938.3MeV)+中性子939.6MeV)⇔重水素1875.7MeV)+結合力(2.2MeV
もう少し簡単な反応式で説明すると
物質A50質量E)+物質B50質量E)→→→→→物質AB80質量E20結合E
                          ↓  ↑
                     (20E)(20結合E
つまり、周りから20結合エネルギーを得たので、逆に周りに20熱エネルギーとして返している。つまり反応時は
1、エネルギーの質(核エネルギー、電気エネルギー、熱エネルギー等)が変化する。
2、反応時には必ずエネルギーの収入と支出が生じる。
3、エネルギーの収入-支出は必ず0になる。
エネルギー収入…20結合エネルギー
エネルギー支出…20熱エネルギー
支出差分…0エネルギー
・まとめ>周囲から得た結合エネルギーは、反応前後でエネルギーを保存する為に、結合エネルギー分を質量から熱エネルギーとして失う。発熱反応が生じている時、発熱エネルギーの値は結合エネルギーの強さと、失われた質量の値を表している。
逆に吸熱反応が生じている時、吸熱されたエネルギー値は、失われた結合エネルギーの値と増加した質量の値を表している。
 
―なぜ中性子は単独で存在できないのか?
・単独で存在する中性子10数分の半減期で崩壊する。
dduuude-+反νe
これはdクォークuクォークに変化した事を表す。
クォークフレーバー(u,d,c,s,t,b6種類)が変化した。すなわち弱い相互作用により生じている。
中性子ddu)は陽子(uud)より1.3MeV重い。中性子939.6MeV。陽子938.3MeV
つまり、dクォークuクォークよりも1.3MeV重いのだ。
dクォークの質量は4.55.5MeVuクォークの質量は1.83.0MeV
クォーク3つの質量よりも、クォーク3つで構成された陽子や中性子の方が圧倒的に重い事。これは、クォーク同士の強い力の結合力がべらぼうに高い事を意味する。つまり結合エネルギーがEmc2により質量が変化しているのだ。
単独のクォーク1兆℃くらいの温度で現れる。クォークが単独で存在する為には、クォーク同士の結合エネルギーを失った分のエネルギーを与えなければいけない。
Emc2より、軽い方がエネルギーは低いので安定。だからdクォークは無理やりにでもuクォークに崩壊する。
もし、中性子より陽子の方が重かったら、原子は存在しないのでこの宇宙も我々も存在しない。
 
―なぜ光子や重力子はエネルギーを持つのに、質量が無いのか?
・質量とは、物を動かしにくくする力=運動量を保とうとする力と定義できる。
・質量がある物資はたとえ宇宙空間(真空)であろうと、物は動かしにくい。宇宙でも質量が大きな物質と質量が小さな物質では、大きな物質ほど、動かすのに力が必要だ。(ただし、宇宙は地球の重力が弱くなるので、約1/10の力で動かせる!)
・そして質量はE=mc^2よりエネルギーが変化した物とも表せる。
・このエネルギーを質量に変換する力こそヒッグス粒子と考えられる。この宇宙はヒッグス場が存在している。そいてヒッグス粒子が物質に質量を与えていると考えられている。
仮説>ヒッグス粒子を交換しあう事で結合エネルギーが生じている。このエネルギーがE=mc^2により質量に変化していると考えられる。周りの粒子(真空からΔt=h/2π×ΔEの間で許される時間だけ出現できる粒子)とヒッグス粒子を交換し合う引力により、その場所に固定される。すなわち、物体は動きにくくなる。
しかし、光子やグラビトン、グルーオンヒッグス粒子を交換出来ないので、ヒッグス粒子の交換力により結合エネルギーも生じない。だから、質量も生まれないし、その場所にとどまりやすいという性質もない。光子は、電子にぶつかるとすぐ進路を曲げたり、止まったりする。すなわち運動量を保とうとする力がない。
宇宙の相転移により、ヒッグス場に満たされた宇宙になった時、莫大なエネルギーが放出されたと考えられる。
質量0ヒッグス粒子の交換力により結合エネルギーが生まれた。結合エネルギーは質量となった。しかし、これは真空から生まれた結合エネルギーである。すなわちすぐに真空に返される。質量を得る事、質量を返す事、これが無限に繰り返される。しかし、時間差がある。極短時間であれば、エネルギーの保存則は破れる。極短時間だけ質量を得る。それが繰り返される。常に1定の質量が存在する様に見える。しかし、実際には、質量は常に変化していると考えられる。
 
参考文献:量子的世界像 101の新知識 ゲネス・フォード