―存在とは何か

真理への飽くなき追究

説得力を強くする方法(続き)

―説明力を上げるのは、説明の内容や説明の仕方だけではない。
・「この薬は効果があります。」
この主張を全く同じ様に述べても、「誰が」述べるかだけで、説得力が全く異なる。
・権威…一般人が述べるのと、医者や教授が述べるのでは説得力が全く異なる。人は権威に弱い事を覚えておくことは重要。逆に言えば、偉い人が述べているというだけで信じるのは禁物。
・好意…自分の嫌いな人より、自分の好きな人からの言う事を信じる傾向が人間にはある。
つまり、論理的説明力やanalogy的説明力を鍛えなくても、相手と親しくなるだけで、自分の言う事に説得力が増すのだ。営業の極意が、相手の関心事に関心を寄せろ。相手の利益を提示しろ、相手の成長を第一に考えろと言われる由縁である。
・集団心理…人間は群れで生きる動物なので、群れと行動を一緒に共にすると生存率が上がると本能で理解している。その為、大多数の人の行動に合わせようとする傾向がある。ランキングNo1、ベストセラー、売上ナンバーワン…集団心理による説得力の向上は日常のあらゆる場所で用いられている。
 
―万人に通用する説明はない!
・説明する内容は、相手が持っている前提知識を元に、抜けなく、ダブりなく説明する必要がある。
人に説明する時は、説明する内容だけ調べるのではなく、相手がどのような前提知識を持っているのか事前に調べるのが絶対的に必要
・相手によって説明の仕方をその都度、変えなくてはいけないのだ。
「大工と話す時は大工の言葉を使わなければいけない」-ソクラテス
 
―で、要は何が言いたいの?要は何の話?と言われないようにする。
・アンサーファースト。結論から述べる。
・いきなり説明されても、何の話か分からないので、説明を聞く側はかなりのストレスとなる。しかし、あらかじめ、あなたの主張を述べてから、その説明を聞くと、相手も理解しやすい。
・その為には、「要は何が言いたいの?要は何の話?」と言われないように、この問いに対する答えを真っ先に言う必要がある。
 
―箇条書き、短く区切った説明はなぜ分かりやすいか?
・人間は説明を聞いている間、説明の内容を脳の短期記憶(ワーキングメモリ)の場所に一時的に保存しながら、情報を整理している。ここは瞬時に記憶できるというメリットがある。しかし記憶の保存時間が短い、記憶できる容量は約7個まで、いうデメリットもある。
・単語が71つの文章や会話に含まれると、ワーキングメモリの容量不足となる。
初めに保存した単語から消えて行く為、情報を整理する前に忘れてしまう。その為、だらだらと長い文章や、話よりも、箇条書きや短く区切った説明の方が理解しやすいのだ。
・アナウンサーや、解説等の喋る事が職業の方は、この事を非常に意識している。
 
参考文献:説得力を強くする 藤沢 晃治
読書時間:6時間
 
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