―存在とは何か

真理への飽くなき追究

なぜ大陸は出来たのか?

―地球の鉱石の割合
・橄欖岩(マントルの主成分) 82.3% 橄欖石60%以上)+輝石(40%?)(橄欖石は単体のSiO4の隙間にMg,Fe91で配置。)(輝石は単鎖上のSiO3の隙間に金属原子が配置)(橄欖石90%以上はダナイトという)
玄武岩(海洋プレートの主成分)1.62% 橄欖岩+輝石+斜長石(SiO2の立体配置にNa,Caが配置。Kが含まれたものは正長石、カリ長石ともいう)+磁鉄鉱。(稀に、角閃石(複鎖状SiO2,SiO3の隙間にOH等の大きな原子を含む事が可能)や石英SiO2の立体結晶、硬い)を含む
花崗岩(大陸の主成分)0.68% 石英+斜長石(Na,Ca)+正長石(K)から成る。しかし、深成岩(地下深くでゆっくり冷えて大きな結晶になる鉱石)なので、個々の結晶の大きさが大きい。冷える過程で鉄元素をや多くの元素を取り込み濃縮する事が出来る。また花崗岩が結晶化する際、結合エネルギーの代価として、熱エネルギーが放出される。日本の温泉の60%は花崗岩が結合する際に放出された熱エネルギーによって温められた地下水である。また、温泉の中にRaラジウム)等が含まれるのは、花崗岩に濃縮された物が溶け出た物。
 
―地球でシリコン(Si)が多いのはなぜか?
超新星の残骸により新しい恒星(太陽)が出来る。
・新しい恒星(太陽)の重力に引き寄せ圧れて、重い物質から、太陽の近くに配置させる。
太陽>水>金>地>火>木>土>天>海
太陽から比較的近い、地球は、Feやウラン、Siなど多くの重い元素を含む。
逆に、太陽から遠い、木星土星は軽いガスから、天王星海王星は氷から出来ている。
・地球の成分と、隕石の成分はほぼ同じ。すなわち、地球は隕石の集まりで出来た。
・すなわち、地球上で最も多い、橄欖岩は隕石が熱で溶けて出来た物。
・地球誕生に間もない頃、地球に無数の隕石が降り注いだ。隕石の衝突エネルギーE=1/2*mv^2により地球の温度は2000℃くらいに上昇し、隕石が溶けた、マグマの海が出来た。隕石の中のFeは重いので地下深くに落ちていき、地球の核を形成した。隕石の中の揮発性物質は、地球初期の大気を形成した。酸素は含まれず、CO2,H2O,H2,CO,Cl2,N2,HCl,S,SO2が主成分だった。
・宇宙の温度は-270℃と低温なので、上昇した初期の大気は冷やされ凝縮して雨となった。
雨になった大気は、再び、マグマの熱で蒸発し、上昇→雨を繰り返す。
・やがて、マグマの表面は冷やされ、マグマの海の表面に薄い膜が出来る。やがて、この膜の上に、水が溜まり、初期の海が出来た。海の水により冷やされ、水を吸収して重くなった膜は、やがて、マグマの海に沈んでいく。これが初期の海溝。膜が沈む事により、膜が引っ張られ、亀裂が生じ、亀裂の隙間から、マグマが噴出した。これが初期の海嶺である。
・次第に地下のマグマも冷やされ、固体のマントルとなる。
・プレートの下の地下100400kmマントルはアセノスフィアと呼ばれ、マントル1%程が部分的に溶解している。このやわらかいアセノスフィアのおかげで、摩擦力が少なくなり、アセノスフィアの上をプレートは滑る事が出来るのだ。
・しかし、この薄い膜が、海の水を地下のマントルに運ぶ事で、大陸が生まれた。
・水を含み、冷やされて重くなった膜がマグマに沈みこむ時、一緒に水もマントルに運ぶ。
普通、マントルがある地下では、高圧により、マントルは固体となる。しかし、熱水を含んだマントルは融点が低くなる。高い圧力により、水蒸気にならず、1000℃を超す熱水が鉱石を溶かすのだ。すなわち、鉱石の水溶液とも言える。密度が低くなったマントルの水溶液は、上昇する。上昇する過程でゆっくりと冷やされていくので、融点が高い金属元素などはすぐに結晶する。残ったのはSiO石英)や長石(SiOの立体核子の間にNa,Ca,K)が含まれた物となる。結果的に透明~白っぽい溶岩となる。
・海嶺から出てくる玄武岩質マグマは粘性が低い。これは、海嶺は、プレートの亀裂により出来た物だから。プレートの直下(7km)はすぐマグマであり、上昇するのに時間がかからないの。だから結晶分化が進まない。すなわち、SiOの立体核子が少ない事が原因。
・しかし、水を含んだ橄欖岩(マントル)がプレート(約100km)を突き破ってゆっくりと上昇する場合、結晶分化が進む。結果的にSiO2の立体核子の結晶が進み、粘性の高いマグマとなる。
・岩石は金属元素を多く含む物程、重くなります。金属が結晶分化して残ったシリカSiO2の割合が多くなる程、軽くなります。
・またシリカSiO2の結晶の割合が4552%を塩基性岩。52%~66%の物を中性岩。66%以上の物を酸性岩といいます。
・鉱石の密度g/cm^3(重さ)を順に並べると
輝石(単鎖状)3.3角閃石(複鎖状)3.3橄欖石3.2>雲母(平面状)2.8石英(立体状)2.7>長石(立体状)2.6
ちなみに磁鉄鉱5.2
水と反応した橄欖岩である蛇紋岩は2.8。これは、鉄が橄欖岩から抜けた為。
6(SiO4(Mg1.5,Fe0.5))7H2OFe3O4+H2+3(Mg3Si2O5(OH)4)
・岩石の重さの順に並べると
橄欖岩(マントル。主成分は橄欖石+輝石)3.33.5玄武岩(海洋プレート)2.83.1花崗岩(大陸)2.52.8
・つまり、マントルの上に、海洋プレートが浮かび、海洋プレートの上、大陸が浮かんでいるのだ。
・海洋プレートを突き破って噴出した、粘性の高く、軽い深成岩(花崗岩等)は海洋プレートの上に小さな白い島を作る。また、海嶺から噴出した粘性が低く、重い火山岩玄武岩等)も海抜より高くなれば黒い島となる。(ハワイ諸島等は玄武岩の島)やがて海洋プレートの移動と共に、島も移動する。プレート同士がぶつかる時、島同士もぶつかる。その時、島同士が合体する事がある。このように、火山の噴火で出来た小さな島がプレートの移動により運ばれ合体すると大きな大陸を形成する。同様に、大陸も、プレートの移動により、千切れたり、合体を繰り返す。
 
―火成岩の家系図
地表近くで結晶分化した物。水を含まない。海嶺から噴出。
橄欖岩(マントル)→→→→
  →斑糲岩→閃緑岩→花崗岩
深成岩>斑糲岩、閃緑岩、花崗岩
地下深くで結晶分化した物。水を含む。海溝から噴出。
 
つまり、元々はすべて、マントル(橄欖岩)から出来た物。
そして火山岩と深成岩はいとこの様な関係。
 
―地球の生命は、橄欖岩から生じた?
・橄欖岩(マントル)が水と反応すると蛇紋岩と水素が作られる。
初期の生物はメタン細菌と呼ばれ、水素と2酸化炭素から水とメタンを作る古細菌だったと言われている。
4H2+CO2CH4+2H2O
もしかしたら、橄欖岩の進化が生物の進化を促進したのかもしれない。
 
―橄欖岩(マントル)は変化し、地球を循環する。

橄欖岩(マントル)→玄武岩に変化(海嶺から噴出)→海洋プレートの移動→海洋プレートの沈みこみ→水を含んだ橄欖岩→花崗岩に変化(海溝近傍から噴出)→海洋プレートにより運ばれる→海洋プレートがマントル地下へ→橄欖岩に変化→繰り返し

 
参考文献 三つの石で地球が分かる 藤岡 換太郎